子育て いじめ 不登校 ひきこもり 暴力 アルコール 薬物依存 拒食 過食症 リストカットなどの予防、解決を考える会。北海道内観療法懇話会 臨床内観療法研究会
 
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「病棟内ゆったり内観療法によりうつ状態が改善した一例」
札幌太田病院 音楽療法課 内観指導員・音楽療法アシスタント
飯田 糧子  松田 千聖  太田 秀造

1.はじめに: 
 当院では、症状に合わせた柔軟な面接技法を用い、多様な内観療法の形態を導入している。特に、病棟内集中内観療法では対応が困難な重篤症例、高齢者などに対し、病棟内ゆったり内観療法を導入し、治療効果をあげている。その内、うつ状態の高齢者にゆったり内観療法を行い、良好な経過を得た症例を報告する。

2.症例紹介:
 A氏。70代女性。悪徳商法に騙されたのではないかなどの不安から、気分の落ち込みが見られた。同時期、寝たきりの夫の介護疲労も重なり、不眠、不安感、意欲低下、食欲不振等の症状が出現した。脳神経外科を受診し、軽度の脳梗塞の診断を受けたが特に問題はなく、某精神科で薬物治療を受けた。しかし、症状の改善は見られず、当院を受診、希死念慮も見られ入院に至った。

3.病棟内内観療法の経過:
 入院10日目、年齢、精神状態を考慮し、病棟内ゆったり内観療法(1日4回、自室ベッド上にて面接)を導入した。当初、会話にまとまりがなく、不安感が顕著であったため、してもらったことを中心に傾聴する、回想療法的関わりを継続した。また、安心感を与えるため、内観3問以外の、日常会話を受容的に拝聴した。内観6日目から、テーマに沿った会話が可能となり、内観9日目、長男に対する自分では「息子がテーブルのセッティングをしてくれ、その時の情景が思い浮かんだ」と、笑いながら話した。「家族を愛し、愛され幸せであること、夫のように明るく、一緒に元気になりたい」と今後の目標を掲げ、10日目でゆったり内観療法を終了した。内観終了後、「家族に相談もせず、両親の遺骨を勝手に散骨してしまったことを悔やんでならなかった」、「今までの自分は心配性で、家族にあれこれ話し迷惑をかけていた」と語り、その後は作業療法に参加し、入院1ヶ月で退院した。退院9ヶ月経過した時点では、定期的に通院、内観日記を継続し「今までは何もかも一人で背負い、自分の体のことを考えず頑張りすぎた」と自己客観視が可能となり、病前より体調も良く、生まれ変わった気分であると話している。

4.考察:
 入院当初は、不安感、焦燥感が顕著であったが、年齢や精神状態を考慮した内観場所、面接回数など柔軟に対応し、してもらったことを中心に受容的に拝聴することによって、安心感を得て、周囲の人々に支えられていると気付き、生きる喜びを見出すことにつながったと考えられる。また、「一人で何もかも背負い勝手に行動していた」と気付いたことで、一人で悩まず、家族に相談していくことの大切さを認識したと考えられる。また、アフターケアとして内観日記の継続により、幸福感が持続し、うつ症状の再発防止に役立つと考えられる。このように、高齢者に対し病棟内ゆったり内観療法が有効であることが伺える。





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