子育て いじめ 不登校 ひきこもり 暴力 アルコール 薬物依存 拒食 過食症 リストカットなどの予防、解決を考える会。北海道内観療法懇話会 臨床内観療法研究会
 
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  子育て・いじめ・不登校・ひきこもり・暴力・アルコール・薬物依存・拒食・過食症・リストカットなどが社会問題となっています。これらの予防・解決に内観法、内観療法が有効であると考え、その予防・解決について考えます。

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不登校児への病棟内・内観療法を中心とした関わり
〜不登校治療プログラムに個別性を加えた関わりを通して〜
(医)耕仁会札幌太田病院 3階病棟
○長浦 千穂子  日裏 理絵  篠田 崇次  酒井 佳子  阿部 一九夫  太田 耕平

1.はじめに 
 約1年間の不登校を呈した小学高学年男児に対し、病棟内・内観療法を含む不登校治療プログラムに基づいた援助を行った。入院2週目から当院から登校し、3週目で退院し、登校継続が可能となった。その経過を報告する。

2.症例紹介と入院までの経過
 A氏、小学高学年男児。父、母との3人家族。同じスポーツ少年団の男子3名から「失敗するな」などと言われ、緊張感が強くなり、上手に出来なくなった。その後、少年団は退団したが、同年夏休み明けから「少年団の男子に何か言われそう」と不安感、気分の落ち込みを訴え不登校となった。その後、両親が教育機関へ相談したが「様子を見ましょう」と言われた。しかし、症状は改善せず、再登校を強く願う両親が電話帳で当院を知り、子供と共に外来受診し、入院となった。

3.治療・看護の経過
 不登校支援プログラムに基づき、入院初日に入院オリエンテーション、病棟内・内観療法(以下、内観療法と略す)の導入を行った。「内観を受ける理由と決意」のレポートには「学校をいっぱい休んでいたので、心を強くしてお母さんたちに心配をかけないで学校へ行きたい。一週間で内観を終えたい」と記載していた。屏風内での内観は可能なものの、内観3問の内「迷惑・心配をかけたこと」の回想が困難であった。まず、A氏の辛い気持ちを受容し、内観担当者や看護師からの説明、記憶回想への動機付けにより、少しずつ回想が可能となった。心配・迷惑をかけたことについても徐々に表出できるようになった。また、内観当初より緊張や不安が強い為か、内観面接時そわそわと落ち着かない、視線を合わせない、などの態度がみられた。患者と職員間の信頼関係の形成、気分転換などの目的から、主治医・担当医の指示により、内観5日目、体育館での運動(卓球など)や病棟ステーション内での自己学習を行った。看護師とのコミュニケーションの時間を増やしたことにより、信頼関係が築かれたため、落ち着きのない態度は軽減し、視線を合わせて話すようになった。内観終了時「自分の登校のために家族が色々と努力してくれた」と実感し、登校意欲と深い感謝の気持ちを話した。内観後の家族内観では、家族間のスキンシップを行った。両親は「言葉で伝えるコミュニケーションの大切さを学び、家族の絆を深めることができて良かった」と話された。その後、入院2週目からは当院より教室登校を開始し、入院3週間で退院となった。

4.考察
 当院の不登校治療プログラムでは、1週目は病棟内・内観療法、2週目は家族同伴で当院より登校、特に問題がなければ退院となる短期の支援システムである。また、学童期・思春期における成長発達段階に合わせ、入院中も運動・学習を行うなど柔軟に関わっている。更に、医師、看護師、心理士などの職員が個別性を考慮して関わり、信頼関係を構築し、患児が安心した入院生活が可能となる。以上の支援が内観の効果を高め、深い感謝の気持ちは登校意欲となり、更に「周囲の人へお返しをしたい」と奉仕の気持ちが芽生えたと考える。





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