子育て いじめ 不登校 ひきこもり 暴力 アルコール 薬物依存 拒食 過食症 リストカットなどの予防、解決を考える会。北海道内観療法懇話会 臨床内観療法研究会
 
掲載抄録内キーワード検索:
  子育て・いじめ・不登校・ひきこもり・暴力・アルコール・薬物依存・拒食・過食症・リストカットなどが社会問題となっています。これらの予防・解決に内観法、内観療法が有効であると考え、その予防・解決について考えます。

札幌市西区山の手5条5丁目1-1
011-644-5111
HOME 開催一覧 主催・事務局 会の歴史・沿革 プライバシーポリシー

HOME> 開催一覧 > 第20回 北海道内観療法懇話会 > 掲載抄録一覧
不登校、過食などを呈する女子高校生の病棟内・内観療法経過
(医)耕仁会札幌太田病院 内観療法課
○大熊 扶美子  渡辺 麻由香  新妻 弘恵  太田 耕平

1.はじめに 
 高校進学後、不眠、不安、不登校、過食を呈した女子高校生に対し、病棟内・内観療法や家族療法などを行い、良好な経過が得られたので報告する。

2.症例紹介
 A子。高校1年。診断名は不登校、抑うつ状態、過食症。中学3年時より不眠、不安から過食が始まった。高校進学後不登校となり、朝から昼まで食べ続け、午後は寝込む生活を送った。生理不順のため、婦人科で漢方療法を行うが改善せず、他院の紹介により母と当院受診し、即日入院した。

3.病棟内・内観療法経過
 入院時、無表情で不安な様子がみられた。心身状態を考慮し、ゆったり内観(自室で1日4回面接)から導入し、2日目より内観室での集中内観へ移行した。

<内観1日目>テーマ「母に対する自分」:「してもらったことは沢山あったのに、してあげたことが少なかった。当たり前のような生活は母のお陰だった」と感謝を述べた。

<内観2日目>「父に対する自分」:「怒るだけの存在だと思っていたが、不仲の原因は自分だったと反省した」と陰性感情の緩和を認めた。

<内観3日目>「妹に対する自分」:「年下のため、私が面倒みていると見下していたが、してもらっていたのは自分の方だった」と自分の傲慢さを詫びた。また、この頃より「親に構ってもらえず不安で寂しかった」と辛かった事を素直に語り情動がみられた。

<内観4日目>「養育費の計算」:算出金額から「親は自分のことなんて関心がないと感じていたが、自分の為に沢山のお金を出してくれたことを知り、苦労や愛情が身に染みた。」と見捨てられ感の消失がみられた。

<内観5日目>「周りにかけた迷惑」:「自分だけが苦しんでいると思い、身勝手な振る舞いをした。周りを思う気持ちが足りなかった」と自己中心的態度を詫びた。

<内観6日目>「幸福の発見」:「幸福は特別なものではなく、身近なところにあると分かった。日々の生活の中で幸せを感じたい。」と笑顔で述べた。

<内観7日目>「身体内観」:「五体満足を当たり前だと思っていたが、そうではないことに気付いた。自分の体に感謝したい。」と語った。

<家族内観>内観終了後、内観での人格的成長を家族に知ってもらい、互いの絆を深める事を目的に家族内観を行った。今後は互いに気持ちを表出することを約束し、入院2週間で退院した。現在、時々休むものの登校可能となり、過食症状は改善しつつある。

4.考察
 本例は、両親との対話不足からの「愛されていない」不安感が、病棟内・内観療法により、両親や周囲からの恩恵体験を再認識し、認知が修正され、安心感から過食が軽減した。更に、家族療法により家族間の絆を深め、目的意識が向上し、登校可能となった。現在、治療途中段階ではあるが、今後も予後を見守っていきたい。





戻る
ページ上へ
HOME開催一覧主催・運営事務局会の歴史・沿革プライバシーポリシー