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生きてる私って、何?
若宮 祐子

『生きてる私って、何?』 
 私は17才からダイエットに走り、24才の時初めて『過食症』と言われ入院が始まり、沢山の波乱に満ちた日を送りながら今日に至っています。

 万引き、家庭内暴力、自傷行為、下剤乱用等、ありとあらゆる手段を使い、口に出さないメッセージを送り、1つ止めれば、1つ始まるみたいな日々を過ごしていた頃1回目の内観をしました。少しずつ学ぶ事がありましたが、なかなか実感がつかめず、息苦しい毎日でした。それでも自炊し、家族と離れ、生活する所までステップを踏みましたが。まだ過食嘔吐をやめる気にはなれませんでした。両親の声、顔に不愉快な思いがつのり、笑顔は見せませんでした。そんな自分にも疲れ、息詰まりを感じ、昨年内観研究所にて、2度目の内観をしてみる事を決心しました。

 ところがいざ集中内観に入って、自分を振り返ってみると、「自分」がわからなくなったのです。

 若宮祐子が父にして頂いた事、母にして頂いた事をなると、「いろいろあります」と言えるのですが、「私」とか、「自分」となると答えられなくなるのです。

 数時間後、「私は、家族の中であなた方の娘、若宮祐子」を演じてただけ、私そのものではなかった事に気づき号泣しました。

 確かに幼少の頃から「口答えしない。お利口でやさしい」と周りに言われ、その通りやって来ました。親の期待通り、「いい子」でいようとしていました。今振り返ると、幼いながら家族の見えない絆に、子供は一生懸命見捨てられない様、すがっていたのだと思います。

 父は刃物や灯油等をふるい周して驚かしたり暴言を吐いては、母子を押さえつける人でした。母は私に愚痴をこぼしたり、姉になってくれたり、私の分身みたいで、とにかく私の片腕の様に私がやる事までやってくれる人でした。父に逆らうこともなく辛抱し、私も辛抱し、なんでも辛抱と思って今まで来た事に気づきました。涙を流しながら、自分に欠けていた事に集中し、集中内観を続ける中で、次々と発見がありました。それは。親子の本当の絆という事でした。幼少の頃、「心に受けた傷は忘れてはいないんだ」、「逆らいたかったんだ」、「あんたの気休めのおもちゃやペットじゃない」、「私もあなたと同じ人間だ」と言いたかったんだと、改めて痛感しました。

 1週間の内観後、「自分」を実感できる様になりました。私は知っているふりをしたり、大人のふりをするのは大変ながらも出来たけど、本当はわかってないんだ。を実感する日々でした。「悔しかったら泣けばいい、淋しかったら泣けばいい、知らなかったら、馬鹿にされても聞けばいい」、と毎日過ごしているうちに、自分にも本物の感情ある事を実感してきました。ある日今までの憎しみ、父への恐怖感、人殺しみたいな父に対する感情が湧き出てきました。私は泣きながら、気持ちを伝えながら父を殴りました。とっくみ合いの喧嘩をして、凄い状況でした。でも、父へは中々伝わらず、暫くして私は両親自身が本当の愛を知らないのだと思いました。

 だから、条件つきの愛し方しか出来なかったのだと思った時、私も可哀相、両親も親から無条件に愛されていると感じた事がなかったのではと思い、手紙を両親に書きました。

 それから父が変わりました。両親も私と愛を知らないことでは変わらないんだと思い今は比較的親への感謝とか、尊敬とかも感じられる様になりました。物事の関連性や大切にする事の意味も仕事を通して学びました。自分で生きていく基盤は、自分で切り開いて行かなくてはいけないというのも、内観後、仕事をしていく中で、段々実感出来る様になりました。しかし、長年両親の理想通り、手助けされて生きて来た生活や家訓が体じゅうにしみついて、自分が、自分で考えて行動していく自分に自信が出来た反面、不安を感じています。本当に勝手に親の承諾もなしに、変化していっていいのかと、日々葛藤しながら、「いいんだこれでいいんだ」と、呪文の様に心に言い聞かせながらせいかつしてます。

 その不安を感じない時間は、唯一今も食べ吐きの時間なのです。

 でも今は「きっとこれも、私がステップアップして行く為に必要な時間なんだ。」と思っています。

 私が、「私」に本当に居心地が良くなった時、どんな自分でも、自分をそのまま、受け入れられる様になった時、「食べ吐き」も忘れてるかもしれないと思ってます。

 家族とはありがたいですが、裏を返すと恐ろしい集団です。

 今は、「縁があるから、おいしい空気が吸える。働く場があるから、給与がもらえる。医療の場で、入院者がいてくれるから、賃金をもらえる。」等私の視点も変化している最中です。

 内観後、本当に自分が変化していることを実感しています。たぶん内観していなかったら、家族の中の私の存在を知る事も感じる事も出来ず、悶悶とした日々を送り、仕事を転々とし、対人関係もなりたたず、過食嘔吐を止るのに必死の毎日で、早く死にたいと思っていたと思います。家族とは、その位、子供に影響を及ぼす力を持っています。

 しかし、今はどんな私であれ、生きていたいと自然の死を望む様になりました。

 仕事も大変ですが、苦痛でなく、明日こそと思って毎日を送ってます。

 こうして仕事を続けて、来年の5月頃2年経過した“私”がどう変化して来たのか、又内観し、じっくり自分と取り組んでみようと目標を持って生きて行きます。

<内観施設案内>
札幌内観研究所:札幌市手稲区手稲本町5条2丁目
        TEL:011(682)9916
釧路内観研究所:釧路市若草町17番13号
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札幌太田病院 :札幌市西区山の手5条5丁目
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