子育て いじめ 不登校 ひきこもり 暴力 アルコール 薬物依存 拒食 過食症 リストカットなどの予防、解決を考える会。北海道内観療法懇話会 臨床内観療法研究会
 
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  子育て・いじめ・不登校・ひきこもり・暴力・アルコール・薬物依存・拒食・過食症・リストカットなどが社会問題となっています。これらの予防・解決に内観法、内観療法が有効であると考え、その予防・解決について考えます。

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不登校園児への家族療法的援助の成功例
札幌太田病院 1階病棟
心理士 奥村 弓恵

1.はじめに 
 両親の離婚による急な環境の変化から不登園・兄弟への暴力などが出現した園児が、父母と屏風内ボディ・ワークを実施した結果、症状が緩和され良好な経過が得られたので報告する。

2.症例紹介
 S、女子幼児。両親の離婚により、兄2人と共に母親に引き取られた。母が仕事を始めたため、保育園に通園したが「行きたくない」と話し、いざ通園すると元気に遊んだ。その後体調を崩したためしばらく休園し、再び登園を開始すると、兄(次男)への暴言・暴力が出現した。また、「保育園に行きたくない」と泣きわめき、1時間程の興奮状態が、日に3回程見られた。食欲減退、夜鳴き、口数減少などの症状も出現し、心配になった母親がSと当院に来院した。

3.治療経過
 初診時、Sと母親に屏風内での30分程の抱っこやおんぶなど、スキンシップを促した。Sが退屈しないようお絵かき道具を用意するなどの工夫した。屏風内からは笑い声が聞こえ、楽しく絵を書いていたようであったが、Sから母に積極的に触れることはなく、素直に甘えられない印象を受けた。終了後、母は「今までSとのスキンシップが足りなかったことに気付いた」と話した。

 一週間後、2回目の屏風内家族スキンシップを行った。夜泣き、気分の浮き沈みの激しさ、不登園などの症状は依然として継続した。前回より屏風に慣れてきたため、母子ともにリラックスした雰囲気で過ごした。母は「家では声をかけても甘えようとせず、自分から助けを求めることもなかったが、屏風の中では自分から進んで膝、背中にのってくることに大変驚いた」と話した。また、保育園に行きたくない理由や兄との不仲など、今まで母が知らなかったこと、聞けなかったことをSは少しずつ話せるようになった。

 3回目、父親も一緒に来院し、3人での屏風内家族スキンシップを1時間実施した。Sには両親に対して、してもらい嬉しかったこと、悲しかったこと、父母には、娘に対し[1]してもらったこと、[2]して返したこと、[3]迷惑かけたこと、の内観テーマを与えた。Sは両親と一緒にいられることをとても喜び、思う存分甘えていたようだった。終了時、両親からSへ「自分の子として生まれてくれたことが嬉しかったのに、充分に甘えさせてあげられなかった。自分を優先していた」などお礼、お詫びを話してもらうと、Sは照れながらも静かに座り両親の話を聞いた。

4.考察
 その後、やむをえない個人の事情から継続治療が困難となり、3回の通院治療のみで中断となった。後日、母親から電話で「今はまだ登園は困難であるが、気分の浮き沈みは落ち着き、夜もぐっすり眠ってくれるようになった」と報告があった。本例では、子の問題行動の要因として、急な環境の変化、愛情不足が考えられた。親子関係において、互いにじっくり向き合ったコミュニケーション、スキンシップが極めて重要である。子には自分のわがまま、反省を促し、親には養育に対しての指導が治療効果を高めたと考えられた。家族全体が治療に協力し、真剣に向き合ったことが成功例となった。





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