入院治療で気付いたもの

A.B氏(適応障害、30代男性)

 

1. 入院前の自分 2.内観療法で得たこと 3.現在の自分と将来について

 

入院前、4年程働いていた会社で、だんだんと仕事を任されるようになり、日々の重責からストレスが溜まりました。少しずつプレッシャーに耐えられなくなり、会社を無断欠勤、遊びに行くなどして過ごし、仕事から逃げ出す日々が続きました。無断欠勤の後ろめたさから、会社の人達や親からの電話に出ることができず、迷惑、心配をかける毎日でした。

心配した親に病院に連れてこられ、入院となりました。自分は「何故入院する必要があるのか」と不満でしたが、親の熱意に負け、一週間の集中内観療法を受けることになりました。内観初期は苦痛でしたが、過去のことを思い出していると両親に誕生日を祝ってもらったり、クリスマスにプレゼントを買ってもらったり、父親とキャッチボールをしたりなど、色々と楽しかった記憶が蘇り、だんだん感謝の気持ちが湧きました。

 内観を通し、相手の気持ちを考えず、自己中心、わがままだった自分に気付きました。周りの人達に対し、してもらったことや迷惑、心配をかけたことが多く、して返したことが少なかったことを実感し、恥かしさから自己嫌悪に陥りました。更に会社、両親への深い反省から、少しずつ自分の病気を認め、立ち直ろうという気持ちが芽生えてきました。特に父母が見捨てずに面倒をみてくれたことに気付き、感謝の気持ちから内観療法を受けてとても良かったと思いました。

退院後、デイケアに通いました。始めの内、委員会活動や通所者との対人関係などがプレッシャーとなり、デイケアを無断で休みました。また、その後ろめたさから電話に出られなくなり、

職員に迷惑をかけた時期もありました。しかし、入院前と同じことを繰り返していることに気づき、少しずつ自分から職員に連絡を入れられるようになりました。職員の優しさ、厳しい指導、辛抱強さ、そして何より自分の「社会復帰をするんだ」という強い意志により、立ち直ることができたのだと思います。その後、過去の自分の体験を話すなど「札幌ピアサポートの会」に出たり、大好きなソフトボールのプログラムに出て体力作りなど行いました。現在は、除雪、老人保健施設での車イス磨きボランティアなどを行い、一歩一歩焦らず社会復帰を目指しております。

 今後の目標は、フォークリフトの免許を活かし、倉庫作業の仕事に就くことです。そのために、履歴書を綺麗に書くための「ペン習字」のプログラムに出たり、世の中のことを少しでも広く知るために「時事研究」のプログラムに出たりしつつ、ボランティアを継続しようと思います。欠席、遅刻、早退する場合、必ず連絡することを怠らないよう、社会復帰に向けて頑張っています。

 そして何よりも自分自身を成長させるために、読書と思索と対話を重ねることだと思う。それが人格成長の最も効率的な生活作法なのだと考えている。そしてまた私の心の底にいつも基調音としてあるのは、ラ・マルチーヌの「人生とは死を以って始まる未知の国への序曲である」の言葉である。これらについて、皆様と思索し対話したいと思っている。