学校におけるいじめ・不登校の現状と
ピアサポートによる人間関係作りの指導

日本カウンセリング学会認定カウンセラー・
日本ピアサポート学会北海道支部副代表・北斗市立上磯小学校教頭

齋藤 敏子

 

1 はじめに

   私はカウンセラーとして1984年から20数年間、延べ2000人以上の相談者と面談してきた。また現職学校教員としてさまざまな児童生徒の課題にかかわってきた。今回は30分間という短い時間でそれらを総括して話すのは難しい面があるが、私の今感じていることを含めてお話ししたい。

 

2 いじめの実態

   いじめの定義として1985年、1995年と変わってきているが、現在は、「いじめられている児童生徒の立場に立って」ということがポイントだろう。そして、集団内の相互作用である点を踏まえ、いじめには直接手を下していない傍観者や観衆を視野に入れて指導しなければ改善は期待できない。その意味でピアサポート活動が注目されてきている。

 

3 不登校の実態

   学校カウンセラーが導入されたり、生徒指導加配が実施されていても不登校の児童生徒数は減ってはいない(統計上では微減になっているが、児童生徒数自体が減っているのだからそれに対する比率で考える必要がある。また、起立性障がいや自律神経失調症など病気と診断された数は含まれていない。高校生に関しては退学者も不登校が原因であっても数に含まれてはいない)。

「誰にでも起こる」問題であり、「原因を追及しても無意味」だから「現在の支援を中心に考えるべき」というのが多数派を占めている状況であるが、ほんとうにそうか?

齋藤は大部分の事例で「特定の要因を持った児童生徒」に起こりやすく、「原因を推測」することで「対処がしやすくなる」と感じている。事例を時間の許す限り挙げてみたい。

 

4 さまざまな課題を抱える学校の実態

   モンスターペアレントの出現が報道されている。保護者の要望が多種多様になってきているのは事実と感じるが、@学校が説明責任を十分に果たしているのか A教員は生徒指導(その先にある保護者指導)ができているのか Bその上で学校がするべきこと、家庭がするべきこと、地域社会がするべきことの見極めができているのか C学校はもっと毅然とすべきではないか D保護者は我が子が相当の時間を過ごす「社会集団」としての学校に関して主体的に責任を負うべきではないか

 

5 ピアサポートによる人間関係作りの指導

   子どもは一方的に守られるだけの弱い存在ではない。だれかに「自分達の集団を良くしてもらう」のではない。「自分が主体的に」改善していくのだ。「誰でもが、何らかの社会貢献ができる」存在なのだ。トレーニングにより自尊感情を高めることが急務。